アリババ、AIで起死回生?!株価爆上げの裏側を徹底解剖!【2024年最新版】

最近、アリババの株価急上昇のニュースで持ちきりですね!

アメリカ市場では8%増、香港市場では10%以上もアップ!一日で400億香港ドル以上の取引があったとか!中には、利益を自慢する人もチラホラ…

一体何が起きたのでしょうか?アリババ、一体どうしちゃったの?

原因は、アリババが発表した2025年度第3四半期の決算報告。

市場の評価は、

「予想をはるかに超える!」「大逆転!」「マジすごい!」

と、大絶賛の嵐!

決算報告会を聞いた投資家たちは、アリババが息を吹き返したと確信したようです。

報告書をざっくりまとめると、

四半期収益は2801.54億元(約383.81億ドル)で、前年同期比8%増。純利益は464.34億元で、なんと333%増!ほぼ全ての事業が成長しているんです。

メイン事業であるタオバオ(淘宝)とTmall(天猫)も、かつてのような爆発的な成長はないものの、安定した成長を見せています。

ECの取引額が増加し、出店者の広告収入もアップ。88 VIPの会員数も4900万人に増加しました。

昨年の国の補助金とプラットフォームの補助金が、大きな影響を与えたと考えられます。

タオバオやTmallよりも成長が著しいのが、海外事業。前年同期比32%増と驚異的な数字を叩き出しています。ただし、成長と同時に赤字も拡大しているのが現状。

アリババは、ユーザー獲得のために資金を投入している段階です。

しかし、アリババ幹部は、次の会計年度には海外EC事業が四半期ごとに黒字化すると予測しています。

ローカル生活サービスとエンターテインメント事業の赤字も縮小。それぞれ前年同期比で15億元と2億元、赤字額が減少しました。

唯一マイナス成長だった物流の菜鳥(ツァイニャオ)も、EC事業から独立し、物流事業に専念したため。それでも、わずか1%の減少にとどまっています。

さて、ここまでは前菜。今回のメインディッシュは、かつて赤字の元凶だったクラウドサービスです。

アリババの決算報告と説明から、

ここ数年の

AI

ブームが、クラウドベンダーに大きな利益をもたらしていることが分かります。

アリババのクラウドインテリジェンスグループの収益は317.42億元(約43.49億ドル)で、前年同期比13%増。利益は33%増と大幅に増加しました。

AIブームの恩恵を、しっかり受け止めているんです。例えば、DeepSeekによるAIブームは、アリババクラウドに新規ユーザーを6〜7割ももたらしました。

外部要因だけでなく、アリババ独自のオープンソースモデル「千問(Qwen)」も収益に貢献しています。

千問は、世界最大のオープンソースモデルとして知られており、その数と質の高さが特徴。Hugging Faceのオープンソースモデルランキングでは、上位10位以内に千問の派生モデルがランクインしています。

アリババ自身も、モデルのAPI販売だけでは大きな利益は得られないと認めていますが、千問モデルに魅了された開発者たちが開発する垂直モデルやアプリケーションは、必然的にアリババクラウドを選択するため、効率が最大化されます。

ここで、クロスセルのチャンスが生まれるんです。モデルを販売した後にクラウドを販売。まさに一石二鳥!

つまり、AIが盛り上がれば盛り上がるほど、アリババのクラウドサービスは儲かるというわけです。

そのため、

アリババは

AI

を最重要戦略に位置付けました。海外進出、EC、物流などは全てAIの後回し。これからはAIが主役になるんです。

アリババだけでなく、投資家たちもAIに注目しています。

昨夜の決算報告会では、AIに関する質問が全体の6つの質問のうち5つを占めました。話題はもはやGMVではなく、AGI(汎用人工知能)に移っています。

アリババは、AIに関する様々な取り組みについても発表しました。

例えば、AIを活用した既存アプリの再構築。淘宝(タオバオ)だけでなく、Quark(クァーク)、DingTalk(ディンワーク)、AutoNavi(オートナビ)などのアプリも対象となります。Quarkは中国のAI検索分野でトップシェアを誇り、DingTalkは企業向け、AutoNaviはDAU1.7億人の巨大アプリ。それぞれ大きな可能性を秘めています。

しかし、最も重要なのは、現在進行中の戦略ではなく、アリババが放った強烈な一言です。

「今後3年間で、インフラへの投資額は過去10年間の総額を超えるだろう。これが、我々の

AI

戦略に対する決意だ。」

AIとクラウドへの投資額は、およそ3000億元規模に達すると予想されます。

この巨額の投資が、アリババの未来に対する期待を高めているのです。

この資金によって、

AI

とクラウドサービスが、いよいよ本格的に勝負の舞台に上がります。

アリババ自身の見解では、最初の目標はAIをAGIにすること。

AGIとは、人間の労働力の80%を代替できるレベルのAIを指します。もしそれが実現すれば、AI関連産業は世界最大の産業となり、現在のGDP構成の約50%に影響を与える可能性があると言われています。

この仮説が正しいとすれば、クラウドサービスは世界のGDPの50%と結びついた不可欠なアプリケーションとなります。なぜなら、大規模なパラメータを持つモデルは、ローカル環境での実行効率が非常に低いからです。

アリババは、今後90%のAIモデルのトークンがクラウド上で転送されると予測しています。

こんな夢のような話を聞いたら、誰だって「欲しい!」って思いますよね!

しかも、アリババの推論には根拠があります。この話は、決して絵空事ではありません。

AIとクラウドサービスへの全面的な投資は、海外の大手企業も既に取り組んでいます。例えば、マイクロソフトは2024年度第4四半期の設備投資額が190億ドルに達し、「クラウドとAI関連の支出」が総設備投資額のほぼ半分を占めています。

アマゾンは、2025年の設備投資額が前年同期比で24%増加すると予測しており、その大部分はAIとクラウドサービスWSに充てられます。

さらに、アリババは今年、アップルの中国国内におけるAI協力の機会を獲得しました。まさに追い風が吹いている状態で、2025年にはさらに良いストーリーが期待できそうです。

かつては、クラウド上でデジタル化やデータクラウドを推進するのに苦労していました。

しかし今や、クラウドサービスと

AI

が、アリババの第二の成長エンジンになる可能性が見えてきました。

今後は、アリババと言えばタオバオやTmallだけでなく、AIという選択肢も加わることになるでしょう。

もちろん、未来がどうなるかはまだ分かりません。投資市場の話は、あくまでもストーリーに過ぎません。どうやって青写真を現実にするかが重要です。ですから、一言でまとめると、本記事は投資アドバイスではありません。私に中国株を買うべきかどうか聞かないでくださいね…。

執筆

:star

編集

:江江 & 面線

画像・資料出典

アリババ2024年12月期決算