金価格が急騰中!その裏で、とんでもないことが起きています。なんと、イギリスやシンガポールから大量の金塊がアメリカへ大移動しているんです!
これは、トランプ氏が金などの輸入品に新たな関税をかけるかもしれないという噂がきっかけ。この噂が、金を使った「アービトラージ(裁定取引)」を活発化させ、実物ゴールドの大規模な移動を引き起こしているんです。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物価格が、ロンドンの現物価格よりも高く、この価格差を利用して、ロンドンで金を買ってアメリカで売れば、リスクなしで儲けられる!というわけです。
アメリカの大統領選挙以降、ニューヨーク商品取引所の金の在庫は約2000万トロイオンスも増加!金額にして約600億ドル!そのほとんどがロンドンからやってきたんです。
イギリス中央銀行は大わらわ!金庫管理人はヘトヘト!?
取引はクリック一つで完了するけど、実物ゴールドの移動は一苦労。イギリス中央銀行の金庫管理人は、近年で一番の繁忙期を迎えています。ブルームバーグによると、約15人のチームが、地下金庫から1本12.5kgもある金塊を運び出す重労働をこなしているんだとか。人手不足で臨時雇用も難しい状況みたいです。
イギリス中央銀行のデータによると、今年1月の実物ゴールドの流出量は、2012年以降で最高を記録しました。
金塊は中央銀行から空港へ。でも、これで終わりじゃないんです。ニューヨーク商品取引所の先物取引には、金塊のサイズに関する規定があるため、ロンドンの金庫にある金塊よりも小さいサイズに作り直す必要が!そのため、ロンドンから運ばれた金塊は、まずスイスの精錬所へ送られ、そこで小さく作り直されてから、ニューヨークへ運ばれるんです。
スイスの貴金属精錬会社ヘレウスのCEOによると、同社の精錬所は昨年12月と今年1月はフル稼働状態。2月と3月もフル稼働が続く見込みだそうです。
シンガポールからもアメリカへ金塊が大量輸出!
イギリスだけでなく、シンガポールからもアメリカへの金塊輸出が急増しています。
シンガポール企業発展庁のデータによると、今年1月にアメリカへ輸出された金の量は約11トン。12月と比べて27%も増加し、2022年3月以降で最高水準となりました。
ただし、現時点では、ホワイトハウスは金に関税をかけるとは明言していません。多くの専門家は、金は関税の対象外になるだろうと見ています。
また、アービトラージのチャンスは徐々に狭まっており、このチャンスがなくなれば、実物ゴールドの流れは逆転し、アメリカから他の国へ戻っていく可能性もあると指摘されています。
総合| 央视财经
出典:江苏新闻