フードデリバリー業界に激震！複数のプラットフォームが、配達員向けに「五险一金」（五種類の保険と住宅積立金）を導入すると発表し、大きな話題となっています。これまで社会保障が手薄だった配達員の待遇改善は、業界にどのような影響を与えるのでしょうか？
新黄河の記者が済南の街頭で配達員に話を聞いたところ、期待と不安の声が入り混じっていました。「社会保険に入れるのは嬉しいけど、給料が減るんじゃないか…」「配達一件あたりの報酬が下がるのが心配」といった声がある一方で、「業界が良くなる兆し。各社の条件を比較して選びたい」という意見も。
年齢によって異なる反応
20歳の配達員は「正社員として働けるなら、長く続けたい」と期待を寄せる一方、借金返済のために働く別の配達員は「手取りが減るのは困る」と複雑な心境を吐露しました。
一方、配達歴7～8年のベテラン配達員は「一件あたりの報酬が5元以下。保険料負担でさらに減るなら、仕事量を増やすしかない」と懸念を示しました。また、50代の配達員からは「65歳まで働けば年金がもらえるけど、体力的に不安」「50歳でも加入条件を満たせるのか」といった声も上がっています。
配達料金は値上がりする？
このニュースを受け、SNSでは「配達料金が値上がりするのでは？」という声が多数上がっています。しかし、「従業員の権利を守るのは当然。消費者の低価格志向で犠牲にするのは間違っている」「競争原理が働けば、プラットフォームがコストを負担するはず」といった意見も。
浙江大学の研究員によると、「五险一金」をフルで導入した場合、一件あたりのコスト増加は最大0.7元程度と試算されています。最終的な価格は、プラットフォームの判断に委ねられるでしょう。
業界関係者は「市場競争や政府の補助金も考慮する必要がある」と指摘。政府の補助金があれば、プラットフォームの負担が軽減され、価格上昇を抑えられる可能性があります。
社会学者の見解
山東大学の社会学教授は「プラットフォームによる『五险一金』導入は、ゼロ労働経済が制度再構築へと移行する兆し」と評価。「デジタル資本主義と社会契約の再交渉」と捉えています。
同教授は、政府の規制強化や労働組合の役割にも期待を寄せ、労働環境の改善を訴えました。
ソース：新黄河
