世界有数の人口大国、インドと並び立つ我が国。その人口数は世界の32%を占めると言われています。
世界には1億人を超える人口を抱える国が13ヶ国ありますが、国土面積は湖南省よりも小さいのに、人口が1億人を超えている国があります。それがバングラデシュです。なぜバングラデシュは国土面積が小さいのに、こんなにも人口が多いのでしょうか?
その理由は、バングラデシュの歴史に深く関わっています。
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地図を見ると、バングラデシュはインドと国境を接しています。元々、バングラデシュにはベンガル人が住んでいましたが、後に他の民族が侵入。9世紀には統一された封建国家を築き上げましたが、13世紀にはイスラム教に改宗しました。
バングラデシュは資源が豊富で、特に水資源に恵まれ、土壌も肥沃だったため、農業が発展しました。16世紀にはインド周辺で最も経済文化が発展した地域となりました。しかし、1576年に強大なムガル帝国が侵略を開始し、バングラデシュは併合されてしまいます。
ムガル帝国による支配は、民族間の融合を促すことはありませんでした。1757年にムガル帝国が衰退すると、インド地域はイギリスの植民地となり、バングラデシュもその一部となりました。
20世紀に入り、1947年にインドとパキスタンが領土分割を行った際、バングラデシュはパキスタンに組み込まれました。しかし、1971年に独立を宣言し、パキスタンからの独立を果たします。しかし、独立当初のバングラデシュは国力が弱く、隣国のインドなどに攻め込まれる可能性がありました。そこで、バングラデシュは大胆な政策を実行に移します。
それは、人口増加政策です。国民に出産を奨励した結果、1972年から人口は急増し、1980年には9300万人を超え、1990年には1億人を突破しました。しかし、この急激な人口増加は、経済発展が追いつかず、国土面積も狭いため、様々な問題を引き起こしました。当初は有効だったこの政策も、時代とともに適応しなくなってしまったのです。
現在、バングラデシュは人口問題という大きな課題に直面しています。様々な対策を講じていますが、根本的な解決にはまだ時間がかかりそうです。