大人気ドラマ「燕雲台」で描かれた、蕭燕燕と韓徳譲の切ない愛の物語。ドラマでは子宝に恵まれなかった韓徳譲ですが、実際の歴史はどうだったのでしょうか？驚きの考古学的発見が、その謎を解き明かします！
4年前に発見された韓徳譲の墓
2016年、遼の乾陵の側で韓徳譲の墓が発見され、緊急発掘調査が行われました！「遼史」の記録によると、韓徳譲の墓は「乾陵側」にあるはず。乾陵は遼の景宗・耶律賢と睿智皇后・蕭綽の合葬墓であり、医巫閭山に建立されたことから、韓徳譲の墓のおおよその場所が特定されました。死してなお蕭燕燕を守ろうとした韓徳譲の深い愛情が感じられます。
蕭燕燕の墓は過去に何度も盗掘され、貴重な文物も持ち去られてしまっています。では、韓徳譲の墓はどのような状態だったのでしょうか？遼の重臣として、当時の歴史において重要な役割を果たした彼は、宋軍を二度も打ち破り、「澶淵の盟」を締結させた立役者。その墓はどのような姿をしていたのでしょうか？
盗掘の被害を受けた韓徳譲の墓
韓徳譲の墓は石棺で、何度も盗掘され、損傷が激しい状態でした。しかし、彼の墓誌銘が発見されたのです！韓徳譲の諡は「文忠」。遼の聖宗は彼のために「文忠王府」を建てました。墓のそばから「文忠王墓志銘」の文字が見つかったことで、この墓が韓徳譲のものであると特定されました。
石棺はひどく損傷していましたが、墓道、甬道の両側の壁、そして東西の耳室の壁の壁画は、今もなお鮮明に残っていました。また、囲碁盤、囲碁の石、双六、陶器の壺、陶器の甕などの品も出土しました。古代の葬儀の習慣から、これらは韓徳譲が生前愛用していたものと考えられ、遼代の歴史を研究するための貴重な資料となっています。
考古学が明らかにした、6人の息子
実は、最初に発見されたのは韓徳譲の墓ではなく、息子の耶律弘礼の墓でした。遼代の貴族の墓群が発見され、墓誌銘から墓の主が遼の皇族である耶律弘礼であることが判明。さらに、耶律弘礼が韓徳譲の後継者として埋葬されたことが記されていたのです。これにより、韓徳譲に息子がいたこと、そして家族墓地が存在することが明らかになりました。
韓徳譲は蕭燕燕と結婚した後、
遼の聖宗・耶律隆緒から耶律隆運という名を与えられ、遼の皇室の一員となりました。そして、関連する考古資料によると、韓徳譲には後継者がいなかったのではなく、6人の息子がいたことが判明しました。ただし、この6人の息子はすべて養子で、耶律宗業、耶律宗范、捷不也、耶律弘礼、敖盧斡、耶律弘仁の6人でした。また、毎年お祭りなどの際には、韓徳譲の子孫がこの地を訪れ、祭祀を行っていたことも明らかになっています。
つまり、韓徳譲には6人の息子がいたと言えるでしょう。生涯孤独な独身だったわけではなく、少なくとも子孫は受け継がれていたのです。これも蕭燕燕が彼のために行ったことなのかもしれません。韓徳譲の子孫が繁栄することを願います！
