馬王堆漢墓は、その歴史的価値の高さから何度も紹介されています。兵馬俑に匹敵するとも言われ、随州の曾侯乙墓、四川の三星堆遺跡と並び、驚くべき考古学的発見です。
馬王堆漢墓からは、馬王堆帛書、素紗襌衣、馬王堆一号漢墓帛画、そして世界を驚かせたミイラ、辛追夫人など、数多くの貴重な文化財が発見されました。
しかし、馬王堆漢墓の考古学的調査には、当時の考古学技術に起因する多くの「残念な出来事」も存在します。考古学は常に試行錯誤を繰り返す学問であり、多くの過ちが起こりうるのです。
兵馬俑も同様です。本来の兵馬俑は現代に見られる色ではなく、色鮮やかなものでした。しかし、当時の考古学技術の不足により空気に触れ、ほぼ全ての兵馬俑が酸化してしまったのです。
馬王堆漢墓の考古学的調査では、具体的にどのような「残念な出来事」が起こったのでしょうか？多くの人が知っているのは『養生方』でしょう。『養生方』には多くの養生知識が含まれており、当時の専門家が恥ずかしく感じる内容も含まれていたため、日本の専門家が目を付けました。
中国の専門家は日本の専門家を歓迎するために『養生方』のコピーを贈りました。しかし、日本人は大胆にもすぐに『養生方』を発表し、国際的に大きな支持と注目を集めました。
しかし、『養生方』の件は、数ある「残念な出来事」の一つに過ぎません。最大の「残念な出来事」は、考古隊員全員が目の前で一箱の「糞便」が酸化していくのを、ただ見ていることしかできなかったことです！
その「糞便」は、普通の陶器の箱に入れられていました。重要ではないと感じた考古隊員が、気軽にその陶器の箱を開けたところ、中身が空気に触れて瞬時に酸化してしまったのです。
その後の専門家の調査により、その陶器の箱の中身は、なんと2000年前の古代人の「糞便」であることが判明しました。「糞便」なんて何の役に立つのか？気持ち悪いだけではないか？と思うかもしれませんが、専門家にとっては、古代人の「糞便」は非常に価値のあるものなのです。なぜなら、古代病理学の研究に非常に役立つ実物資料となるからです。
その他にも、馬王堆遺跡の考古学的調査では、『導引図』が誤って破れてしまうという「残念な出来事」もありました。最終的には修復されましたが、やはり一部が欠損してしまっています。
