現代は「熱兵器時代」ですが、かつては「冷兵器」が主流でした。中国古代の戦場では、刀剣が重要な役割を果たしていました。
しかし、今回注目するのは刀剣ではなく「長矛」です。長矛は集団戦で高い殺傷能力を発揮しますが、すべての長矛が敵を倒すための武器だったわけではありません。中には、特別な用途のために作られたものも存在します!
その特別な長矛の話をする前に、沈那遺跡について触れておきましょう。沈那遺跡は青海省西寧市城北区にあり、約3500年前の新石器時代の遺跡です。保存状態の良い貴重な遺跡の一つです。
沈那遺跡は1991年に発掘され、石刀、石斧、石鋤などが大量に発見されました。さらに、青銅器も発見されたのです。新石器時代の遺跡から青銅器が見つかるのは異例です。
沈那遺跡は、新石器時代から青銅器時代への移行期を示す遺跡と考えられます。出土品は豊富ですが、他の遺跡でも見られるものが多く、貴重な文物と呼べるものは少ないのが現状です。
考古学者たちが貴重な文物の発見を諦めかけていた時、ある隊員が墓室の通路で泥にまみれた銅の塊を発見しました。最初は誰も気に留めませんでしたが、泥を落としてみると…!
それは、斉家文化の青銅巨矛でした。全長61.5cm、幅19.5cm。しかし、その刃は葉っぱのような形で、全く鋭くありません。とても戦場で敵を倒すための武器には見えません!
さらに、刃の底部には刺鉤が付いています。この刺鉤は何を意味するのでしょうか?専門家たちは議論を重ね、ついに結論に達しました。それは、この斉家文化の青銅巨矛は、儀式用の道具、つまり「礼器」であるというのです!古代の皇帝が出かける際に儀仗兵が持つ、あれに似たものなのです。
斉家文化の青銅巨矛のような礼器は、皇帝のような身分の高い人物だけが持つことを許された特別な品だったのでしょう!