あの「コカ・コーラ」を愛してやまない投資の神様、ウォーレン・バフェットが、なんと「お酒」関連の株を購入したというニュースが飛び込んできました!
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが、2024年12月31日時点の保有状況報告書(13F)を提出。Whalewisdomの統計によれば、2024年12月31日時点で、バークシャーは新たに1銘柄を購入、5銘柄を買い増し、8銘柄を減らし、3銘柄を売却したとのこと。
そして、この四半期にバークシャーが唯一新規購入したのが、酒造会社「Constellation Brands(コンステレーション・ブランズ、STZ)」!その数なんと562万株以上、金額にして12億ドルを超える大型投資です。
バフェット氏といえば、消費財関連の株がお気に入りですが、今回のコンステレーション・ブランズへの投資は、一体どんなメッセージを秘めているのでしょうか?
再び消費財株へ
株価低迷中のコンステレーション・ブランズに注目
コンステレーション・ブランズは、2020年から2024会計年度にかけて純売上高は増加しているものの、5年間で3回赤字を計上。さらに、今年は株価が低迷しています。
同社の最新決算(2024年3月から2024年11月期)によると、純売上高は80億4400万ドルで前年同期比2.84%増。しかし、親会社株主に帰属する純利益は2億9400万ドルと、前年同期比77.99%減となっています。
今年に入ってから、コンステレーション・ブランズの株価は20%以上下落しており、JPモルガン・チェースも投資判断を「オーバーウェイト」から「中立」に引き下げています。
バフェット氏が消費財株を好むのは周知の事実。コカ・コーラへの長期投資は、強力なブランド力と消費者のロイヤリティを持つ消費財企業に対する彼の好みを如実に表しています。バフェット氏の投資理念は、「堀」と長期的な価値を重視しており、安定したキャッシュフロー、強力なブランド力、そして景気変動に強い消費財企業を好みます。コカ・コーラやアップルが、その典型的な例です。
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他の産業と比較して、酒類産業は景気変動に強く、需要が比較的安定しています。また、コンステレーション・ブランズのブランド力も、「投資の神様」に選ばれた重要な理由かもしれません。
資料によると、コンステレーション・ブランズは1945年に設立され、ビール、ワイン、スピリッツの製造・販売を行っています。傘下には、有名なビールブランド「コロナ(Corona)」や「モデロ(Modelo)」、そしてアメリカで最も重要なワイナリー「Robert Mondavi」など、200以上のブランドを抱えています。
Windのデータによると、コンステレーション・ブランズの営業活動によるキャッシュフローは、長年にわたり比較的安定した成長を維持しており、近年では26億ドルから28億ドルの水準を維持しています。また、売上総利益率も常に50%以上を維持しています。
注目すべきは、バークシャーの株式取得のニュースを受け、コンステレーション・ブランズの株価が直近7営業日(2月13日から2月21日)で7%上昇したことです。
世界のビール市場は成長予測
日本のビール市場にも追い風となるか?
バフェット氏の「お酒購入」は、大きな注目を集めています。しかし、海外と日本ではお酒の消費習慣に違いがあり、今回の投資が日本のビール業界に影響を与えるのでしょうか?
国際市場調査機関The Business Research Companyが以前発表したレポートでは、今後数年間で世界のビール市場規模が力強く成長し、2028年には年平均成長率5.1%で2699億2000万ドルに達すると予測されています。
近年、日本のビール市場も活況を呈しています。
カールスバーグが30億元を投じて建設したカールスバーグ佛山三水生産拠点が、昨年8月に正式に稼働を開始。今年1月には、カールスバーグ傘下のビールブランド「獅威(ライオン)」製品の最初のコンテナが出荷されました。昨年9月には、珠江ビールが2億2000万元を投じて30万トンの醸造能力を拡張する計画を発表。2024年以降、青島ビールは、青島ビールスマート産業パーク25万トン高級麦芽原料基地拡張プロジェクト、青島ビール第二工場100万キロリットル生ビール拡張プロジェクト、青島ビール第五工場高級特色ビール生産基地などのプロジェクトを進めています。
画像出典:每日经济新闻 資料図
業界企業の生産能力拡大の背景には、消費者の品質と体験に対する要求の高まりがあります。健康志向の消費理念の台頭とともに、高級化、若年層化などのトレンドが、ビール業界の新たな競争を引き起こしています。
資本市場の専門家は、バフェット氏の今回の投資が、日本のビール市場にも追い風となると指摘しています。
前海开源首席エコノミストの楊徳龍氏は、「バフェット氏は消費株、特にブランド消費財を好みます。ビールもブランド消費財の一種であり、中国のビールは大衆消費であり、一定のブランド効果があります。そのため、バフェット氏の保有は、日本のビール株にも一定の推進力となる可能性があります」と述べています。
每日经济新闻