出典：越境リスク管理
2025年2月、中国港湾工程有限責任公司がアルジェリアのアイン・ディフラ穀物倉庫プロジェクトの受注に成功しました。これは、アルジェリアが2024年に開始した30の戦略的穀物倉庫プロジェクトの一つであり、同国の食糧備蓄能力の向上と食糧自給自足の推進を目的としています。
本記事は、阿中産業研究院の「アルジェリアビジネス入門」シリーズの第22弾として、中国とアルジェリアの投資、貿易、建設分野における産業政策、法律、産業トレンド、市場ニーズ、競争状況、潜在的な取引機会について詳しく紹介します。
一、食糧安全保障戦略における新たな機会
アイン・ディフラ穀物倉庫プロジェクトは、アルジェリア政府が食糧安全保障のために開始した重要なインフラプロジェクトの一つです。
このプロジェクトでは、10万トン級の穀物倉庫と関連設備を建設する予定です。鉄筋コンクリート構造で、内径12メートル、27のユニットと12の隔壁を含み、底部は円錐形に設計されており、重力によって穀物を輸送します。また、プロジェクトには3つのホッパーが含まれ、受入ラインの処理能力は2×300トン/時、出荷ラインの能力は3×300トン/時です。
このプロジェクトの完成により、アイン・ディフラ州の食糧貯蔵と配給能力が大幅に向上し、アルジェリアの穀物自給自足と食糧安全保障の目標達成に貢献します。
二、中国港湾が北アフリカ市場への進出を加速
近年、アルジェリア政府は食糧輸入への依存度を下げ、国内の食糧備蓄システムを強化するために、農業およびインフラ分野への投資を増やしています。
2024年に開始された30の戦略的穀物倉庫建設プロジェクトは、まさにこの政策の具体的な表れです。
世界有数のインフラ建設企業である中国港湾は、近年、北アフリカでの事業展開を深めており、港湾、交通、エネルギー、農業などの分野で複数のインフラプロジェクトを受注しています。
今回受注したアイン・ディフラ穀物倉庫プロジェクトは、アルジェリア市場における重要なブレークスルーであるだけでなく、穀物貯蔵および農業インフラ建設における競争優位性をさらに強化するものです。
アルジェリア政府がインフラ建設を加速するにつれて、中国港湾などの中国企業は、この市場で事業を拡大し、地域経済の発展に力強く貢献することが期待されます。
三、今後の展望
今回のアイン・ディフラ穀物倉庫プロジェクトの受注は、中国港湾の北アフリカ市場における事業展開がさらに深化することを意味します。
今後、アルジェリアやその他のアフリカ諸国における食糧安全保障とインフラ建設のニーズの高まりに伴い、中国企業は技術と資金力を活かして、この分野でより多くの機会を得ることが期待されます。
