悠久の歴史の中で、私たちの祖先は輝かしい文化を築き上げました。かつてアジアの多くの国々は、中国の藩属国であり、ベトナムもその一つでした。しかし、中原での戦乱を機に独立を果たしました。ベトナムには、今も世界中が注目する、中国との間で論争が絶えない地域があります。その裏に隠された陰謀とは一体何なのでしょうか？
その場所とは、ベトナム最南端、カンボジア南東部に位置するメコンデルタです。ここは、東南アジア最大の肥沃な平野として知られています。メコン川の源流は中国の青海省にあり、中国国内では瀾滄江と呼ばれています。
元々、メコンデルタに住んでいたのはカンボジアのクメール人でした。古代、メコンデルタは地理的な優位性から、港湾貿易の要衝として発展しました。その後、ベトナム人がチャンパ王国を占領し、その勢力はメコンデルタに迫りました。1623年、ベトナムの阮朝は、カンボジアのチェイ・チェッタ2世国王に六女を嫁がせました。この婚姻関係を機に、多くのベトナム人がメコンデルタに移住しました。チェイ・チェッタ2世国王は、これらのベトナム人を追放するどころか、彼らのために多くの家を建てました。時が経つにつれ、ここに住むベトナム人は増え続け、最終的には、元々カンボジアに属していた土地を奪い取ってしまったのです。
ベトナムの姻戚関係を利用した、いわゆる「カササギの巣を奪う」行為は、常に非難の対象となってきました。現在の状況を見ると、ベトナムの国土は、中国から独立した当時よりも遥かに広大になり、国力も大幅に向上しています。しかし、中国と比較すると、まだまだ及ばないのが現状です。そして、この差は今後ますます拡大していくでしょう。
