技術テストの現実的なニーズは理解できるが、企業は「注目度」ばかりを追い求め、社会的責任を無視してはならない。
技術テストの現実的なニーズは理解できるが、企業は「注目度」ばかりを追い求め、社会的責任を無視してはならない。
先日、市民から、北京海淀区の五道口交差点に、パチモンの「ロボット警官」が現れ、交通整理をしているとの報告があった。新京報の記者が交通管理部門に確認したところ、このロボットは警察が配備したものではなく、当日すでに警察官が現場に駆けつけ、ロボット会社のスタッフに警告と退去を促し、テストは閉鎖された場所で行い、道路交通秩序に影響を与えないように求めた。
↑写真提供:新京報
春節番組で人気になった人型ロボットが、すでに進化して路上で交通整理ができるようになったのか?関連動画を見ると、ロボットが交差点に立ち、信号の変化に合わせて歩行者を誘導し、多くの通行人が立ち止まって写真を撮り、交差点の交通状況はさらに混雑していた。
これらの蛍光ベストを着たロボットは、交通管理部門が配備したものではなく、ある企業が無許可で行ったテスト行為だった。この件は、公共の秩序と安全を考慮しない「注目を集める」行為のように見える。
近年、科学技術の進歩と人工知能の絶え間ない発展に伴い、人型ロボットのような最先端技術製品が、公共の場に進出し始めている。最近では深センで、警察官と同じデザインのベストを着た人型ロボットが街頭を「パトロール」し、そばには警察官が付き添っていた。
交通整理であろうと、街頭パトロールであろうと、ロボットが人力に代わって単純なタスクを実行することは、技術の進歩の表れであり、都市管理がよりスマートになる兆しでもある。無人運転タクシーの応用と同じように。
科学技術製品は、発明されてから大規模に応用されるまで、当然、多くの実地テストを経て、現実の複雑な状況の中で、絶えず最適化され、改善されなければならない。したがって、開発企業にとって、技術テストの現実的なニーズは理解できる。
問題は、企業が技術テストを行う際に、公共の秩序と安全を最優先に考え、可能な限り閉鎖された、または管理された場所を選択すべきであるということだ。どうしても公共の場所を選択する必要がある場合は、関係当局に届け出て、同意を得てからテストを行うべきだ。結局のところ、現実の環境は複雑であり、どんなにスマートなロボットでも、あらゆる緊急事態に柔軟に対応できるとは限らない。
関係企業が事前に承認を得ずに、人通りの多い交差点でテストを強行すれば、逆効果にしかならず、交通整理をするロボットが、渋滞を悪化させる原因となり、交通秩序を混乱させる可能性がある。さらに、企業にとって、見物人が集まり渋滞している現場の状況は、テストに役立つデータを提供できない可能性もある。
そのため、人型ロボットにベストを着せて「正規軍」を装わせるのは、本当にテストなのか、それとも話題作りが目的なのかという疑問が生じる。もし単に注目を集めたいだけなら、このような「革新的な」試みは、技術の進歩に役立たないだけでなく、社会に悪影響を及ぼす可能性もある。
人工知能が急速に発展している現在、技術革新を奨励するためには、企業が新しい技術の応用を積極的に模索することを奨励し、そのテストニーズに対して、状況に応じた保証を提供し、革新的な製品の応用を支援する必要がある。
企業は、公共の秩序と国民感情を尊重し、関係当局と積極的にコミュニケーションを取り、技術テスト活動が合法かつ適切であることを確認し、「注目度」ばかりを追い求め、社会的責任を無視してはならない。イノベーション活動を「迷惑」に変えてはならない。
紅星新聞特約評論員 熊志
編集 赵瑜