「鎮国之宝」と聞いて、何を思い浮かべますか？ここで言うのは、文物界の「鎮国之宝」のこと。全部で9件あり、最も貴重なだけでなく、最も代表的な文物と言えるでしょう。
これから紹介する「鎮国之宝」は、実は大きな苦難に遭いました。もう少しで火事で灰になるところでしたが、幸運にも大部分が完全に保存され、一部がひどく焼失しました。
山東省臨沂市にお住まいの方は、銀雀山漢墓をご存知でしょう。銀雀山漢墓は、今から2000年以上前の西漢時代の墓ですが、西漢時代の墓だけでなく、宋、唐、明、清の時代の墓もあり、非常に複雑です。しかし、大部分は西漢時代の墓です。
話は1972年に遡ります。当時、臨沂市の病院が建物を建設する必要があり、多くの作業員が建設作業を行っていました。しかし、予期せぬ嬉しい出来事が起こりました。数人の作業員が鍬を振るったところ、大きな石板を掘り当てたのです。
さらに奇妙なことに、その後の発掘で、作業員は多くの赤い土の層を掘り当てました。それは柔らかく、上の土とは本質的に異なっていました。そのため、作業員は下に何かあるのではないかと疑い始めました。
その後、白膏泥と木炭が発見されました。これは間違いなく、下に古墳があることを示していました。作業員はこの奇妙な出来事を建設責任者に報告し、建設責任者は臨沂文物局に報告しました。
間もなく、文物局の考古学チームが現場に到着し、調査を行った結果、古墳であることがすぐに確認されました。しかも西漢時代の古墳です。西漢時代の古墳が発見されたことを知り、誰もが非常に喜びました。なぜなら、西漢時代の古墳からの文物で考古学チームが失望したことはほとんどなかったからです。
今回の西漢時代の古墳群も同様で、9冊の「奇書」が発掘されました。実際には、4942枚の竹簡と言うべきでしょう。これらの竹簡が、後の銀雀山漢墓竹簡です。ご存知の方も多いでしょう。
当時、考古学チームは銀雀山漢墓竹簡を発見した時、本当に興奮しました。しかし、その多くが焼失した痕跡があることに気づきました。明らかに、以前の盗掘犯の仕業です。幸い、ほとんどの竹簡は無傷でした。その後、考古学専門家が数年かけて整理・修復し、ついに4942枚の竹簡を整理し終え、合計9冊の古書に分けられました。その中には、後に「鎮国之宝」と称される『孫子兵法』も含まれています。
もう一つの非常に重要な成果は、『孫子兵法』の発見が、専門家が2000年の懸案を解決する直接的なきっかけとなったことです。歴史的に、『孫子兵法』と『孫臏兵法』の間には大きな議論があり、孫武と孫臏は同一人物だと考える学者が多くいました。なぜなら、『孫臏兵法』は発見されているのに、『孫子兵法』は発見されていなかったからです。
『孫子兵法』の発見によって、この大きな懸案が解決されました。孫武と孫臏は2人の異なる人物であり、著した兵法も異なっていたのです。
